平成30年度水道イノベーション賞【特別賞】を受賞しました

更新日:2021年04月01日

「日本水道協会平成30年度全国会議」と詳細が描かれてある屋外に設定されてある大きな看板の写真
青いパネルの前に立っている2名の男性の写真
「日本水道協会会長表彰 イノベーション賞授与」と書いてあるプロジェクタースクリーンの前で1人の男性が賞状を読み上げ、向かい側にスーツを着た男性が立っている写真

 現在の水道界は、老朽施設の耐震化を含めた更新・再構築、巨大地震などの自然災害の備え、技術の継承、人口減少社会到来への対応等、多くの課題を抱えています。
 そうした中、(公益社団法人)日本水道協会では、さまざまな工夫を持って課題の克服に取り組んでいる会員を表彰し、取組事例を紹介するとともに、その功績を讃えることにより、日本の水道界が新たな取組に着手する気運を高めることを目的として、平成26年度より日本水道協会会長表彰の一つとして水道イノベーション賞が設置されました。

 今年度、本町の水道事業の取り組みが、「水道イノベーション賞【特別賞】(注釈)」として表彰されました。
(注釈:特別賞は、「特定分野に特化した取組」「中小規模水道事業体ならではの取組」等が対象となっています。)

受賞内容

取り組み名称

「広大な山間地域の町村合併に対応したIoT技術「クラウドシステム」利用の遠隔監視・管理への変更」

受賞理由

 本取組は、町村合併に伴い、広大な面積に点在する1上水道17簡易水道の多様な施設の監視・管理をIoT技術「クラウドシステム」を用いて効率化し、管理水準も向上させたものである。経済的なメリットだけでなく、24時間体制の残留塩素濃度管理や、機器の異常の早期発見、スマートフォンの活用による情報共有や非常時の動員等、多くのメリットを有している。
 職員が少数の小規模水道事業体はもちろん、同様の地理条件にある水道事業体にとって参考となるものであり、大いに評価できる。

抱えていた問題

 南会津町は、平成18年度町村合併で1町3村合わせて面積886.47平方キロメートルに、現在人口約1.6万人と2つの河川流域からなる広大な面積に点在する1上水道17簡易水道の水道施設が存在した。巡回距離が約130キロメートルに及ぶ水道事業体である。その状況下で、新たな上水道事業への統合を控える中で、各施設状況把握は、旧町村単位で施設監視手法が異なっていた。
 不揃い製造メーカーの現地計装盤、通信手段がバラバラ、計装盤の有無といった状態であった。当時、莫大な時間と経費を恐れ担当者が試算すら拒む状況にあった。

取り組み概要

 平成25年度に4町村合併の中でも、最も小さい伊南地域の総合支所役場にある中央監視のパソコンが動作不能状態に陥った。そのため、修繕工事等で全部更新、一部更新、IoT技術利用の「クラウドシステム」の導入で比較検討を行った。結果、経済・施工性の面から「クラウドシステム」が有効と判断された。これは、誰でも理解しやすい統一表現画面でフローシートが描かれ、状況把握しやすい。また、どの盤メーカーにも対応可能でコンパクト機器である。そのため、工事期間も短く、完了と同時に端末監視ができる。工事費の経済性に優れ、通信費が大幅な縮小された。
 この結果を受け、広大な面積に点在する施設の監視課題に対し、適切な手法が見つかったと判断し、町内水道施設への導入決定し平成29年度に完了している。

工夫した点

 計装監視盤の有無を考慮し、最初に有する施設への導入を先行させた。無い施設は塩素滅菌のみが多い。導入に併せ、薬品の注入量を遠隔操作できる状態にし、薬品タンク補充に警報を設け、職員巡回数の減少を目的として実施した。
 また、個人委託していた毎日検査項目の管末塩素濃度については、配水系変更時 にも移動可能なコンパクトな濃度監視盤を開発した。よって、全ての浄水施設管末濃度を現在は24時間体制の濃度監視を実施している。
 また、急速ろ過施設は、浄水に異常が生じた場合などに、原水を手動遠隔操作で強制放流させることが出来る。その後職員等到着後に注入量を決定した後に稼働する管理体制を可能とした。移動時間が多く、職員少数といった小規模事業体が抱える問題の一部が緩和できる画期的な手法であると考えられる。

効果

 職員や委託先への情報共有では、所有のスマートフォン等の活用により、滞在場所を問わず共有する事が出来る。施設到着前に関係機関への対応や、アプリの継続利用で人事異動により部署変更となった職員へ非常時協力体制の確立・異動復帰後の技術継承が期待できる。
 また、動力機器の稼働率と毎月の電気使用量を照合した有収入率の向上対策と機器異常早期発見など施設全体の長寿命化にも効果が発揮されている。
 また、今後は、広域化の協議においても、ハード面は地形上の困難はあるが、IoT技術を活用したソフト面連携が模索できる事や、PFI事業の官民連携における参入インセンティプ効果に良好な要因材料と考える。

水道イノベーション賞について

 水道イノベーション賞について詳しくは、(公益社団法人)日本水道協会ホームページをご覧ください。

この記事に関するお問い合わせ先

環境水道課 事業係

〒967-0004
福島県南会津郡南会津町田島字後原甲3531番地1

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