関係人口の創出・拡大に取組んでいます

更新日:2022年09月27日

全国的な課題でもある「人口減少」ですが、本町においても人口減少及び高齢化によって地域の担い手不足が問題視されています。これまでも人口を増やそうと移住・定住施策等に取組んできましたが、パイの奪い合いであり、日本全体の人口が増えない限り根本の問題は解決しません。そんな中、『関係人口』という概念が注目され、本町においても関係人口の創出・拡大に取組んでいます。

関係人口とは?

関係人口とは、観光で町を訪れた「交流人口」でもなく、町に定住した「定住人口」でもない、地域と様々な関わり方を継続している人たちを表す言葉です(下図参照)。具体的には、町外に居住地があるのに、南会津町が好きで頻繁に訪れる人や町内にルーツがある人、過去に仕事で住んでいた人など、強い思い入れがあり、さらに地域の活性化に参加する意欲を持っている人たちのことを言います。

関係人口は、地域活性化の担い手になることにとどまらず、地域に新しいアイデアや価値を生み出し、住民にとって刺激になりうる人材として期待されています。また、必ずしも移住が伴うわけではなく、複数の地域に関わる場合もあり、「人口の奪い合い」ではなく、「人口のシェア」のような考え方になります。

※総務省が示す関係人口の概念図

南会津町ふるさとサポーター

本町では、2020年から「南会津町の魅力を発信したい」、「自分のスキルを活かして南会津町を応援したい」といった方を『南会津町ふるさとサポーター』として募集し、自発的な活動をしていただいております。

この『南会津町ふるさとサポーター』を本町の関係人口の一つとして創出していき、地域に様々な形で関わる人を増やしていくことに取組んでいます。

登録についてはこちらから。

取り組みの経過

令和2年度(2020年)

人口減少が進む本町においては、経済の回復・継続の視点も含めて、新しい人の流れのあり方を検討する必要があり、ふるさとサポーターズ制度を制定し、関係人口創出に乗り出しました。

当初、首都圏交流イベントや町を訪問するツアーを検討していましたが、新型コロナウイルス感染症の流行により、人の往来に制限があるため、予定を変更してオンラインでの関係人口づくりに切り替えました。

オンラインでの関係人口づくりにおいては、オンラインミーティングツールの「Zoom」を活用し、町の事業者に出演いただきながら町の魅力や特産品等を紹介し、まずは参加者に町を知ってもらい好きになってもらう機会を提供しました。参加者には南会津町ふるさとサポーターに登録してもらいつつ、継続してオンラインでの交流会等を実施しました。

オンラインイベントの様子

当事業をとおして南会津町ふるさとサポーターは10名以上に登録いただき、年度末には登録者が35名となりました。また、個別の事例として、参加者の一人が日本酒のイベントを自分で開催したいという希望があり、町内の酒屋とつながるような動きがありました。

コロナ禍の中、対面せずにオンラインでの関係人口づくりが可能か実証実験として実施しましたが、オンラインにおいても十分に関係人口づくりが可能ということがわかりました。

オンラインイベントの中でワークショップ(無料アプリ「MIRO」を使用)も開催

令和3年度(2021年)

引き続き予断を許さない新型コロナウイルス感染症の状況が続く中で、新たな形での関係づくりを形成することを目的に、オンラインコミュニティの開設・運営、オンラインイベント及びリアルイベントを行いました。

  1. オンラインコミュニティの開設・運営
    ビジネスチャットツールのSlackを活用し、南会津町ふるさとサポーターのコミュニティをオンライン上に開設しました。Slackでは町の情報に日々接触でき、かつサポーター同士の交流ができる場所として整備し、新規のサポーターの受け皿ともなっています。

  2. オンラインイベントの実施
    オンラインコミュニティ内での募集及びイベント告知記事等から申し込みがあった方を対象に、町のヒト、モノ、コトについて知るためのオンラインイベントを開催しました(全6回)。まずはサポーターの地域への関心を高めるため、またコミュニティへの間口を広めるために、多くの人に興味を持ってもらいやすい企画内容にして実施しました。また、サポーター限定のオンラインイベントも実施し、サポーター同士のつながり強化の機会としました。

    ・第1回 330年根付く酒造りの極意!南会津町『会津酒造』オンラインイベント
       (ゲスト:会津酒造 渡部裕高氏)
    ・第2回 土地の90%以上が森林に囲まれた“森林の町”で、持続可能な木材活用のあり方を学ぶ
       (ゲスト:マストロ・ジェッペット 富永周平氏、合同会社SCOP 松澤瞬氏)
    ・第3回 南会津初のマイクロブリュワリー事業者に聞く、町のこと・ビールのこと
       (ゲスト:南会津マウンテンブルーイング 関根健裕氏)
    ・第4回 食でつながる南会津町との美味しい関係。人と地域のつなぎ方。
       (ゲスト:南会津NATURAL FARM 湯田浩史氏、CAFE JI*MAMA 五十嵐大輔氏)
    ・第5回 オンライン交流会
    ・第6回 南会津町の日本酒でオリジナルカクテルを作り、SNSで発信しよう




     

  3. リアルイベント
    サポーターがリアルで集まり、交流し、町のことをより深く知る体験をとおして、サポーター同士のつながりづくりと、町との関わりを深めるために、リアルイベントを実施しました。全2回の実施で、その内1回はサポーターが集まりやすい東京において、和精油専門ブランドの株式会社一十八日に協力いただき、アロマワークショップを実施したほか、南会津町との関わり方を考えるワークショップを実施しました。もう1回の開催は、南会津町に訪問していただく現地プログラムであり、オンラインでは感じ取れない地域の雰囲気や人の温かさ、地域にあるモノやコトの面白さを肌で感じることで、より南会津町ふるさとサポーターとしての主体的な参加と町への関心を高めました。

加えて、町民、地区、地域団体等向けに関係人口の理解を深めるセミナーを開催し、講師として、関係人口の考え方、その重要性を提唱しているソトコト編集長の指出一正氏に講演いただきました。指出氏からは、関係人口とはどういう人たちなのか、関係人口はどんないいことをもたらすのか、関係人口の増やし方などについて各地の事例を交えながらお話しいただきました。参加者からも多くの質問が飛び交い、関係人口に対する理解が深まりました。

令和4年度(2022年)

令和3年度に町のことを知り、町を訪れ、自分なりの関わり方を考えてきた内容を実践したり、町に訪れ関わりしろを見つけたり地域のお手伝いをするプログラムをサポーター自身が考え、それにより新たな関係人口を創出しようと取組んでいるところです。

関係人口のこれから

関係人口を地域に受け入れていくことは、地域活動の手伝いや地域にはないスキルの提供によって、地域に新たな刺激となったり、地域の担い手不足解消にもつながる可能性があります。今、地域に関わりたい、地方に移住したいという方は増えており、そういった地域外の方を受け入れていく=「地域を開いていく」ことが必要になります。

また、関係人口を創出するヒントの一つに「関わりしろ」をつくることと言われています。関わりしろとは、地域外の人が地域に関ることができる余白で、例えば「地域の情報を発信する方法が分からない」といった地域の弱みのこと。弱みを見せると地域外の人は自分にできることを見つけやすく、地域に入りやすくなります。

地域に地域外の人や新しい発想を受け入れることは決して簡単なことではありませんが、人口減少・高齢化が続く現代において、集落機能を維持することが難しくなってくる中、関係人口という新たな力が地域に入ることにより、集落を守ることにつながるかもしれません。

地域の皆さまへ

関係人口の受け入れについて検討したい、話を聞きたいという集落や地域団体等の皆さまはお気軽に下記問い合わせ先にご連絡ください。

また、地域にこんな困りごとがある、手伝ってほしい集落行事や守っていきたい伝統芸能があるなど、関係人口の方々と一緒に実施できる活動があれば、情報提供いただければ幸いです。

この記事に関するお問い合わせ先

総合政策課 企画政策係

〒967-0004
福島県南会津郡南会津町田島字後原甲3531番地1

電話番号:0241-62-6210
ファックス:0241-62-1288

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