藤生区の鋏山が「未来に残したい草原の里100選」に選ばれました
南会津町藤生(とうにゅう)の鋏山(はさみやま)は、全国草原の里市町村連絡協議会による「未来に残したい草原の里100選」に選ばれました。(令和5年3月選定)
鋏山の美しい草原の風景や300年以上にわたり継承されてきた山焼きが評価され、福島県内からは初の選定となりました。
鋏山の概要
鋏山の標高は1,150mで2つのピーク(山頂)があり、その姿から鋏山と呼ばれるようになったと言われています。
面積は約90ha(東京ドーム19個分)で、そのほとんどを草原が占め、昔から茅場や採草地、遊牧等に利用され、山焼きなども行われていました。
現在はワラビ園として利用されており、山焼きも毎年5月3日に地区住民によって行われています。
麓から舗装された林道が、草原の中を通り山頂近くまで整備されており、山菜の採取や作業等にも大変利便性の良い草原です。
受け継がれてきた山焼き
鋏山の山焼きは南会津町の重要無形民俗文化財に指定されており、地域住民によって300年以上受け継がれてきました。
毎年5月の連休に行われる山焼きにより、鋏山の草原が維持され、独自の生態系が保全されてきました。
山焼きによりできた灰が土壌にミネラル分を補給し、熱による蒸発で土を柔らかくします。枯草がなくなることで、地表に陽光が差し込みやすくなり、春の芽吹きが促進されるほか、害虫の発生やつる性植物の繁茂を防ぎます。
地域住民が300年以上受け継ぐ山焼き
山焼きで真っ黒に色づいた鋏山
景観的な特徴
鋏山山頂からの急斜面から広がるススキの草原は、春先に山焼きで焼かれ真っ黒に色づき、夏は緑の絨毯に山野草が彩りを添え、秋には草紅葉の黄金色に輝き、冬には雪で真っ白に染まるなど、四季の変化に応じた表情を見せます。
近くには、ブナ林や白樺林もあり、新緑と木肌の白さが織りなす光景には山の息吹が感じられ、草原を一段と際立たせます。
北から東にかけて開けた眺望も素晴らしく、遠くには甲子岳や茶臼岳をはじめとする雄大な那須連峰の山並みを望むことができます。
鋏山の四季の風景

夏は緑色の絨毯が広がる

草原に彩りを添える山野草

秋は草紅葉で草原が黄金色に輝く

冬は雪で白く染まり特徴的な山体が際立つ
草原を特徴付ける動植物
主な植物はカリヤスやススキ、その他にコオニユリやキキョウ、ヤナギランなど山野草の種類も豊富です。
貴重な植物や昆虫等も確認されており、その保護には大学等の研究機関も携わっています。
来訪者の方へ
鋏山の生態系保全のため、次のことにご理解とご協力をお願いします。
- 動植物を無断で採取しないでください。
- ごみは持ち帰りをお願いします。
※5月下旬~7月上旬のワラビ園開園中は、山菜を採取する方(有料)のみ入山できます。
詳しくは藤生区にお問い合わせください。
鋏山へのアクセス
鋏山に関するお問い合わせ先
藤生区 区長 星 明則 氏
自宅電話:0241-66-2275
携帯電話:090-2765-7598
更新日:2024年03月19日