令和7年度町政施策方針

更新日:2025年03月07日

はじめに

本日ここに、令和7年度一般会計予算をはじめとする重要案件のご審議をお願いするにあたり、私の町政運営に対する所信と重点施策をご説明し、議員各位及び町民の皆様のご理解と、より一層のご協力をお願い申し上げるものです。

私が町長に就任し今年で4年目を迎えるとともに、また来年3月20日には、南会津町が誕生して20周年を迎えます。

これまで、南会津町として着実にその歩みを進めてくることができましたのは、議員各位並びに町民の皆様のご努力をはじめ、南会津町を応援してくださる多くの方々のご支援、ご協力の賜物であると、改めて深く感謝申し上げます。

現在の社会情勢は、長期化する原油価格及び原材料価格の高騰で日常生活は多大な影響を受けており、町民の皆様、町内事業者の皆様におかれましては、将来への不安を抱えていると推察しております。

町といたしましては、引き続き、町民の皆様の生命と健康、生活を守ることを第一に、様々な課題解決に向け全力を尽くしてまいります。

新年度の町政運営は、これからの南会津町を創造していく年として大変重要であると考えております。様々な諸課題に的確に向き合い、町民一人ひとりが豊かさを実感できる、そして将来に希望が持てるまちづくりに邁進してまいる所存です。

1. 町政運営にあたっての基本的な考え方

はじめに、令和7年度の町政運営の基本的な考え方を申し述べます。

私が町長に就任して以来申し述べております、「想定より急速に進む人口減少」は、令和5年12月に報道された、県内各市町村における人口の将来推計や、令和6年4月に報道された「消滅の可能性がある自治体」に、本町が該当するなど、本町は非常に厳しい数値であったことから改めて深刻な課題であると受け止めたところであります。

人口減少を要因とする地域活力の低下や経済活動への影響、さらには集落における支え合い機能の低下については、講じた対策の効果が直ぐに結果として現れるものではないと認識しておりますが、実効性のある施策を粘り強く講じていかなければならないものであると考えております。そのために、町長としてのリーダーシップを各般にわたり発揮してまいりたいと、改めて決意をしているところでございます。

人口減少に加え、厳しい財政状況の中でありますが、「第3次南会津町総合振興計画」に掲げた町の将来像「自然と人が笑顔を育むまち ~ともに生きる みんなのふるさと~」の実現に向けて前進するためには、常に町民の皆様の声に真摯に向き合い、町民と行政が協力し一体となって、同じ未来を見据えたまちづくりに取り組んでいくことが重要であると考えております。

町民の皆様が誇りを持って、生き生きと生活できるよう時代の変化に対応した施策を実行することで、次世代に継承するまちづくりを推進し、「夢と希望と活力に満ちた南会津町の実現」を目指し町政運営に邁進してまいるとともに、町民の皆様の健康を守り経済を再生させるため、町民と行政の協働により力を結集し、一人ひとりが幸せを実感し安心して住み続けたいと思える町の実現に向けて取組を進めてまいります。

2. 令和7年度予算編成にあたって

次に、令和7年度当初予算につきましては、「消滅可能性自治体からの脱却を目指し、次世代に継承できるまちづくり」を予算編成基本方針とし、以下の8つの項目を重点施策に掲げております。

1.    結婚・子育て・就労機会の創出

2.    まちの魅力をたかめる地域活力の創出と郷土愛の醸成

3.    会津田島駅周辺を軸とした中心市街地の活性化

4.    強みを活かした次世代につなぐ農林業の推進

5.    町民の生活を守る安全・安心なまちづくり

6.    住み慣れた地域で安心して暮らせる福祉の推進

7.    地球温暖化対策と循環型社会づくりに向けた取組の強化

8.    公共施設の効率的な管理運営と将来を見据えた行財政改革

これら重点施策を踏まえ、一般会計予算総額は対前年比5.3ポイント増の132億3,000万円、特別会計は3会計総額で40億5,600万円、公営企業会計は2会計で18億2,548万1千円としたところであります。

なお、本予算につきましても、必要な投資と財政規律のバランスを見極め、持続可能な財政運営の視点に立った執行に努めてまいりますが、国の経済対策といった緊急的な事案に対しては、機を逸することなく、柔軟な発想とスピード感を持って必要な対策を講じてまいります。

3. 令和7年度主要施策の概要

次に、第3次南会津町総合振興計画に掲げる5つの目標の柱に基づき、主要な施策の概要について申し述べます。

目標の柱1「豊かな自然ときれいな水が育む元気に安心して過ごせるまちづくり」

はじめに、目標の柱1に掲げている「豊かな自然ときれいな水が育む 元気に安心して過ごせるまちづくり」についてであります。

本町の豊かな自然を後世に引き継ぐとともに、町民一人ひとりが健康で安全に安心して暮らし続けられる環境づくりを目指してまいります。

自然と生活環境の保全では、自然資源の活用と自然環境の保全を両立し、豊かな自然を次世代に引き継ぐ責務があります。

現行の「住宅用太陽光蓄電システム設置費補助金」を発電システムを含めた制度に拡充し、地球温暖化対策に取り組むとともに、リサイクル等の推進によりごみの減量化に取り組むことで、持続可能な循環型社会の構築を進めてまいります。

また、特定外来生物防除では、耕作放棄地を中心に特定外来生物の分布域が広がっていることから、町民一人ひとりに特定外来生物の影響について理解していただけるよう周知に取り組み、自然環境保全について意識の醸成を図ってまいります。

さらに、河川の水質調査の実施や合併処理浄化槽設置に係る経費の一部補助を行い、阿賀川・伊南川流域全体の環境保全に引き続き取り組んでまいります。

町民の健康づくりと医療の充実では、町民の皆様が健康に不安を抱えることなく暮らし続けられるよう、各種予防接種にかかる費用の助成や成人保健事業、食育事業等を継続するとともに、歯科保健においてフッ化物洗口事業を小中学校へ拡大し、町民の健康づくりに一層取り組んでまいります。

また、将来にわたって地域医療が維持されるよう、医師や医療スタッフの確保について県や関係機関へ引き続き要望し、町民の皆様が安心して暮らしていける地域医療体制の確保に取り組んでまいります。

特に、令和6年3月に診療所が閉院した伊南地域においては、福島県医業承継バンクを介し、東京都で開業している医師が新たにクリニックを開設する計画であり、対面とオンラインを併用した診療、さらに在宅診療を含めた新たな医療の提供により、地域医療の確保と住民の不安解消に取り組んでまいります。

高齢者や障がい者の福祉では、高齢者や障がい者が抱える多様な問題に対して相談機能を強化し、個別の支援に速やかに結び付ける重層的支援体制整備を継続します。また、手話は言語であることの認識のもと、手話言語への理解促進及び普及等の施策を推進するため、条例の制定や啓発に努め、誰もが安心して暮らせる共生社会の実現を目指してまいります。

子育て支援では、本町の強みであります相談支援体制をより深化するため令和6年度に設置した、こども家庭センターの機能を強化することにより、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもに対する幅広い支援を継続してまいります。

また、子育て世代からのニーズが高い屋内遊戯施設の整備については、体験イベントを実施し、継続して調査・検討を進めるほか、令和5年度から実施している子育て世帯における保育料の負担軽減を目的とした保育所入所応援助成事業を継続してまいります。

結婚支援では、結婚サポート企業等への登録企業と協力、連携した、将来の生活設計についてのセミナーや婚活イベントを開催し、独身男女の出会い・交流の場を創出してまいります。

また、結婚された方を祝福する思いを込めまして、婚姻届を提出した町民に対し結婚祝い金を交付する新婚生活エール事業を引き続き実施してまいります。今後も、複数の事業を組み合わせた多角的な結婚支援対策を展開し、町全体で結婚を後押しする気運を醸成してまいります。

目標の柱2「魅力を高め活力を生み出すヒト・モノ・カネの好循環化」

次に、目標の柱2の「魅力を高め活力を生み出すヒト・モノ・カネの好循環化」についてであります。

人口減少にある中で、本町には若者が希望する就労の場が少ないほか、商店街も店舗が減少して活気が失われつつある現状を打破するため、地域の特性をいかし農林業や商工業の生産性を向上させ、町内の経済が循環するまちづくりを目指してまいります。

地域特性をいかした農林業の推進において、農業の分野では、農業・農村振興計画に基づき、農業従事者の減少を見据えた中で受け皿となる新規就農者や多様な担い手の確保、さらには農産物の付加価値向上を目指す経営体の育成に引き続き取り組んでまいります。特に、南郷トマト生産者の確保については、南郷トマト生産組合や地域住民と協同でPR動画を作成し、南郷トマト生産に関わることの魅力を広く周知しながら、新規就農者の確保に努めてまいります。

また、荒海地区及び鴇巣地区において持続可能な生産を支えるほ場整備を推進し、引き続き農業生産基盤の整備や農地の集積、効率的かつ安定的な農業経営、農業の生産性の向上に努めてまいります。

さらに、農家の経営所得の安定に向け、経営規模に応じた農業機械導入や施設整備に係る経費の支援及び地域の特色をいかした重点振興作物の栽培に対する支援などを継続し、農業の持続的発展と農業所得の向上を目指してまいります。

このほか、農作物等への鳥獣被害を抑えるため、個体数調整に努めるとともに、複合柵設置等の被害対策支援を継続しながら、集落と一体となって対策に取り組んでまいります。

林業の分野では、豊富な森林資源をいかして町内経済の好循環化に結びつけるとともに、森林の持つ多面的機能を維持するため、森林環境譲与税を活用し皆伐地の再造林を促進する経費を支援し、持続的な森林整備を進めてまいります。また、林業技術の研修やスマート林業に向けた資格取得に係る経費の一部を支援し、次世代を担う人材育成に努めてまいります。

さらに、町産木材の利用拡大及び町内林産業の経営の安定と基盤強化のため、町産材を使用した住宅の新築・増改築を行う施主への支援や林産事業者に対する各種補助金制度による支援を引き続き実施してまいります。

商工業では、中小企業を取り巻く環境が依然として厳しい状況にあることから、生産性向上や従業員の処遇改善等に取り組む町内事業者に対して、設備投資や人材確保に係る経費の一部助成を継続してまいります。また、一定の投資と雇用を確保して町内に工場等を新設した企業に対して、固定資産税相当額の一部を奨励金として交付するほか、個人事業者及び法人の新規創業等に係る経費の一部を助成することにより、事業活動の促進と生産能力の向上及び雇用の創出を図るとともに、事業承継についても具体的施策の検討を進めてまいります。

併せて、地元企業における人材確保に対する支援として、一般求職者及び高等学校等の新卒者を対象とした合同企業説明会などを引き続き実施してまいります。

また、働き方の多様性と女性の活躍の場を創出するため、時間や場所にとらわれずに就業可能な在宅ワーカーの育成及び就業のマッチング支援を行ってまいります。

さらに、プレミアム付電子クーポンを発行することで、電子決済の利用を促すとともに、地域内消費を喚起することで、地域経済の活性化、商工業者の経営安定化につなげてまいります。

新たな地域産業としては、ドローン産業の振興を目指してまいります。ドローン飛行実証試験誘致を進め、地元事業者が提供するサービスとの連携や機体の共同開発につなげるとともに、ドローン産業を担う人材を育成するための普及啓発活動と無人航空機操縦資格の取得経費の支援を行ってまいります。

田島地域中心市街地の活性化では、経営者の高齢化や担い手不足など様々な要因により空き店舗が増加し、活気が失われつつあることから、町内事業者等が協働により自主的・主体的に取り組む中心市街地の賑わい創出のためのイベント経費、及び空き店舗の利活用に要する経費の一部を助成するとともに、デジタル見どころマップを活用し、まちなかの周遊性を高めるなど、まちなかの未来ビジョンの具現化に向け引き続き取り組んでまいります。

観光、地域間交流の推進では、本町の星空の魅力を観光資源としていかした観光誘客の推進体制を整備するため、星空ガイドの育成を継続してまいります。加えて、施設・設備を充実させることで合宿誘致を推進するほか、企業の研修先としての地位を確立するため、地域団体と連携しながら企業研修の魅力づくりや受入れ体制の構築を促進してまいります。

また、国道289号八十里越の開通を見据えた地域振興については、老朽化した道の駅きらら289の大規模改修を実施するとともに、新潟県三条市、只見町との3市町による「越後・南会津街道観光・地域づくり円卓会議及び同懇談会」で引き続き協議を重ねながら、広域観光や産業連携等の相互交流につながる施策展開を促進してまいります。

さらに、これまで継続してきた文京区との交流においては、冬季に加え、夏季も実施することで交流を深めてまいります。

これらの取組や本町の魅力を広くPRするため、SNS等の多様な広報媒体を活用しながら、個人旅行者や外国人旅行者などの誘客強化をとおして交流人口、関係人口の拡大と本町の観光産業の活性化に努めてまいります。

 

目標の柱3「快適で充実した生活が送れる魅力ある生活基盤づくり」

次に、目標の柱3の「快適で充実した生活が送れる魅力ある生活基盤づくり」についてであります。

様々な災害への備えや除排雪への対応、道路や上下水道、公共交通といった社会・生活基盤を適切に維持していくことにより、町民生活の快適さの向上や、安全・安心な暮らしとともに持続可能なまちづくりの実現を目指してまいります。

良好な居住環境の整備では、道路及び橋梁の整備に関しまして、町道永田・中荒井線や町道後原・丹藤線の改良工事、町道関本・古内線の富貴沢橋架け替え工事及び町道高杖原線の舗装打替工事など、町民生活に密接にかかわる生活道路の改築・修繕工事を実施してまいります。また、土地区画整理事業施工区域での宅地造成及び改修事業を引き続き実施するほか、降雪期における生活道路の機能を確保するため、伊南地域の老朽化した除雪ドーザ1台を更新してまいります。

一方、会津縦貫南道路5工区、栃木県側で事業が着手された栃木西部・会津南道路など、本町を取り巻く幹線道路の整備が着実に進んでおります。今後も、県道黒磯田島線を含め幹線道路の整備促進に向けた要望活動を力強く継続してまいります。

住宅確保要配慮者対策に関しましては、町営住宅松下団地の建て替え事業、町営住宅会下団地の改修事業の継続など、町民の生活基盤の整備を計画的に進めてまいります。

上下水道において、水道事業では、田島第一地区と田島第二地区の施設の統廃合に向けた高野地区への加圧ポンプ場整備や針生地区と静川地区の連絡配水管の整備を継続して実施するほか、老朽化等による漏水リスクの高い管路を優先的に更新することで、水道水の安定供給に努めてまいります。

また、下水道事業では、上郷地区と高杖原地区の農業集落排水処理施設の統廃合に向けた上郷処理施設の改良工事等を引き続き実施するほか、南郷浄化センターと古町地区農業集落排水処理施設の統廃合に向けて管路の橋梁添架工事を実施するとともに、下水道使用料の改定を行うことで下水道事業会計の健全な経営を目指してまいります。

これらの事業を進め、持続可能な上下水道事業の実現に努めてまいります。

地域公共交通は、自家用車を持たない高齢者などの交通弱者にとって、移動手段として必要不可欠なものであることから、町全体の公共交通につきましても、引き続き地域住民、交通事業者及び関係機関と協議を重ねながら町民の皆様が利用しやすく、効果的かつ効率的な公共交通網の形成に努めてまいります。

併せて、高齢運転者による痛ましい事故が全国で増加する中で、交通事故の防止と公共交通利用促進を図るため、運転免許証の自主返納者に対する支援を継続してまいります。

防犯・防災対策では、町民の安全・安心を確保するため、町内の主要箇所に防犯カメラを設置し、犯罪発生時には情報の速やかな収集と関係機関への提供により、広域化する犯罪の未然防止と町内の防犯対策に努めてまいります。

また、小型ポンプ付積載車2台を更新し、火災発生時の体制の充実を図ってまいります。

併せて、道路交通法の改正に伴い、現在、準中型免許を保有していない消防団員が在籍し、将来的に消防車両の運転に支障をきたすことが想定されることから、令和7年度より、消防団員の準中型免許取得に対する補助金の交付を開始し、消防団体制の維持・強化に努めてまいります。今後も消防車両及び消防施設を計画的に更新することにより、消防団の組織運営を充実させるとともに、防災備蓄品の計画的な更新を進めることで、自助・共助・公助の連携による町民の安全・安心な生活環境の確保に努めてまいります。

目標の柱4「世代を超えて「南会津愛」を育む“共育”のまちづくり」

次に、目標の柱4の「世代を超えて「南会津愛」を育む“共育”のまちづくり」についてであります。

地域の担い手の育成には郷土愛を育む必要があると考えており、家庭や地域など町民一人ひとりが郷土の歴史や文化に触れ、交流を深めることで、共に学び育ち合いながら郷土の良さや暮らす喜びを知ることができるまちづくりを目指してまいります。

学校教育の推進では、実用英語技能検定いわゆる英検の合格に向けて、目標を持って取り組んでいる中学生が増加しているため、英語が話せる人材育成事業を継続してまいります。

また、中学校部活動の地域移行につきましては、地域移行が円滑に進められるよう学校や保護者、関係団体などの関係者による協議会を設立し、スポーツなど将来にわたり継続して親しむことができる機会を確保するため、課題の整理や具体的施策など地域の実情に応じた環境づくりや活動の在り方等について協議・検討を進めてまいります。

子どもたちの郷土愛を醸成するため、田島祇園祭屋台歌舞伎ワークショップや藍の栽培、郷土料理づくりなど、町内各小中学校において地域のヒト・モノ・コトに触れる体験学習を引き続き実施してまいります。

子どもたちが安心して学べる環境整備では、物価高騰が続く中、子育て世帯の経済的負担の軽減を図り、子どもたちが健やかに成長するよう、新たに小中学校における学校給食費の一部支援を開始します。

また、GIGAスクール構想が第2期を迎える中、ICTを活用した学習環境を引き続き充実させるため、町内すべての小中学校におけるタブレット端末の更新を実施してまいります。

さらに、県立高等学校改革により令和5年4月に開校した新南会津高等学校の通学等に対しまして、後援会組織をとおして必要な支援を継続し、安心して学べる環境を確保してまいります。

一方、少子化により児童生徒数が減少する中で複式学級は増加傾向にありますが、複式学級の指導体制を充実させるため「学習支援員」を配置し、小規模校の良さをいかした教育環境を整備してまいります。

また、舘岩地域の教育環境を維持するため、舘岩小学校と舘岩中学校の小中一貫校の設置に向けた検討を進めるとともに、舘岩地域の保護者から要望の多い他校との交流については、西部3小学校による交流活動やさいたま市立舘岩少年自然の家の利用校との交流を継続してまいります。

加えて、特別な教育的支援を必要とする児童生徒への対応として、「特別支援教育支援員」を配置し、学級担任と連携して日常生活上の介助や学習支援、安全を確保するなど、共生社会の実現に向けた教育の構築を目指し、特別支援教育における教育ニーズに的確に応える指導体制を整えてまいります。

生涯学習では、様々な世代の方々へ地域の歴史や文化などの学習の機会の提供及びスポーツを通した健康づくりや地域コミュニティの形成を図るなど、生涯学習事業や公民館講座の充実に努めてまいります。

地域と連携した教育を推進する放課後子ども教室での体験活動などを継続しながら、世代間交流による郷土愛や自立心を育むなど地域を担う人材の育成が、子育て支援や年齢、性別を超えた“共育”に繋がるよう努めてまいります。

また、生涯学習の拠点施設である御蔵入交流館の空調設備改修工事を継続するとともに、公民館講座や文化講演会では、町の課題解決に繋がるような事業を展開しながら、生涯学習環境の充実に努めてまいります。

地域文化の保存・伝承、芸術文化の振興では、本町の代表的な伝統芸能である田島祇園祭屋台歌舞伎や、伝統技術である藍染技術の後継者育成と伝統文化の継承に取り組むなど、先人から受け継がれてきたかけがえのない民俗芸能や伝統文化の保存伝承に努めてまいります。

また、地域の財産である文化財が地域の誇りや愛着が持てるものとなるよう、奥会津博物館での企画展開催や講座などの開催を幅広く周知し、多くの人が本町の文化について知り、触れる機会の充実に努めてまいります。

さらに、文化ホールでの音楽・舞台芸術公演などを開催し、芸術文化に親しむ機会の充実を図ってまいります。

目標の柱5「誰もが主役で誰もがつながる未来を見据えた協働によるまちの運営」

最後に、目標の柱5の「誰もが主役で誰もがつながる未来を見据えた協働によるまちの運営」についてであります。

町は急激な人口減少や厳しい財政状況の中にあり、社会情勢の目まぐるしい変化に対応していくために、町民と行政が互いに協力し、町民一人ひとりがまちづくりの主役として輝くことができる行政運営を目指してまいります。

デジタル化の推進では、様々な場面で人手不足が叫ばれ社会全体のデジタル化が進展する中で、それに対応した職員の意識・業務の改革を進める必要があると認識していることから、職員のデジタルに関する研修などをとおして、デジタル技術を活用した行政システムの導入に関する検討を継続し、住民サービスの充実に取り組んでまいります。

行政と町民協働のまちづくり及び地域コミュニティの充実に関しましては、私が町長に就任して以来、動く町長室などの広聴事業をはじめ、様々な場面で様々な世代の町民の皆様と対話する場を設けてまいりました。この取組の中で、町民の皆様の声に真摯に向き合い対話を進めることで、いただいた意見を町政に反映するほか、地域の相互扶助や自主的かつ主体的な活動及び集落機能の維持強化が図れるよう継続して支援するとともに、町と団体や団体間の協働の取組を推進してまいります。

また、住んでいる町民が、住んでいて良かったと思える町を目指し、地域や集落の魅力や課題を理解し、それぞれの特性をいかしたまちづくりを進めていくためには、それを支える多様な人材の育成が重要となることから、県立南会津高等学校や地域住民と協働によるまちづくりを進めてまいります。

さらに、町外在住の方が将来的に二地域居住や移住しやすいよう、空き家バンク制度と住宅取得支援に関する事業及び子育て支援に関する事業を組み合わせた情報提供など、関係機関等と連携しながら関係人口や定住促進の事業に継続して取り組んでまいります。

効率的・効果的な行財政運営に関しましては、厳しさを増していく財政状況や限られた人的資源の中で、さらなる住民との協働によるまちづくりを実践し、公共サービスのスマート化や行政組織の強化を図ることで、地域に相応しく質の高い公共サービスを提供していかなければなりません。このため、第3次総合振興計画に掲げた目標値の達成に向け、前述した事業などの取組を進めてまいります。

また、観光施設をはじめ多くの町有施設を抱える本町にとっては、それらの維持管理費が将来的な財政運営の大きな負担になることが予想されます。そのため、公共施設等総合管理計画に基づき、長期的なメンテナンスサイクルの構築、トータルコストの縮減と予算の平準化、施設の再配置や統合、複合化及び民間活力による有効活用、管理経費の削減など、公共施設の維持管理・更新等の最適化を図り、経常経費の削減と投資的経費の財源確保に努めながら、将来を見据えた効果的・効率的な行財政運営に一層尽力してまいります。

加えて、町有観光施設につきましては、タウンミーティングで出された意見や書面で寄せられる意見も加味し、6月を目途に方針を決定し、令和8年度以降の指定管理者を選定する手続きを進めてまいります。

 

むすびに

以上、令和7年度の町政運営の基本方針と主要施策の概要について申し述べました。

 

令和7年度も、町民の皆様の声に耳を傾け、対話をとおしながら、町民と行政が信頼で結ばれたまちづくりを進めることが極めて重要であると認識しております。より多くの声を町政に反映させるとともに、町民の皆様と議会、行政の信頼関係を構築しながら、安全・安心のまちづくりと地域力の向上に職員と一丸となって全力を尽くして取り組んでまいります。

町民の皆様及び議員各位におかれましては、引き続き町政への一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信とさせていただきます。

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